肝胆膵第76巻第4号

チオレドキシン

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  • 角田 圭雄他(愛知医科大学)
  • 発行日:2018年04月28日
  • 〈要旨〉
    チオレドキシン(thioredoxin:TRX)は酸化ストレス誘導蛋白であり,細胞内のレドックス制御に関わる.TRXはサンドイッチELISA法にて測定可能であり,NASHの病態に酸化ストレスが寄与することから,NASH患者で高値を示し,NAFLD患者からのNASHの拾い上げに有用である.血清TRXは肝線維化の進行や鉄の蓄積と相関し,瀉血やビタミンEなどの抗酸化療法で低下することから,診断のみならず治療効果のモニターとしても有用性が期待される.血清TRXの測定は現在のところ保険適用はなく,汎用化されるには至っていない.一方,第相試験でNASHの肝線維化改善作用が報告されたASK1(apoptosis signaling kinase1)阻害剤selonsertibのグローバル第相試験が進行中であるが,ASK1の活性化抑制にTRXによるレドックス制御が関連することから,今後NASHにおけるTRXの役割が脚光を浴びることを期待したい.

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詳細

Thioredoxin in the diagnosis and treatment of NASH/NAFLD
角田 圭雄*1 中嶋 俊彰*2 川中 美和*3 中出 幸臣*1 伊藤 清顕*1 岡上 武*4 伊藤 義人*5 米田 政志*1
*1愛知医科大学内科学講座肝胆膵内科学
*2社会福祉法人 恩賜財団済生会京都府病院名誉院長
*3川崎医科大学総合内科学2・川崎医科大学総合医療センター
*4大阪府済生会吹田病院名誉院長
*5京都府立医科大学大学院医学研究科消化器内科学