肝胆膵第77巻第2号
ニボルマブ（PD-1抗体）＋イピリムマブ（CTLA-4抗体）併用試験の概要と他癌種での成績
電子書籍のみ
- 山本 駿，他（国立がん研究センター中央病院）
- 発行日：2018年08月28日
- 〈要旨〉
進行肝細胞癌に対する薬物治療は，今まではマルチキナーゼ阻害剤を中心に開発が進められてきた．しかし近年，免疫チェックポイントを標的とした治療開発が数多くの癌種で進められ，肝細胞癌ではPD-1抗体薬であるニボルマブ単剤療法の第Ⅰ/Ⅱ相試験（Checkmate 040）の結果が有望であったことから，現在一次治療でソラフェニブと比較する第Ⅲ相試験が行われている．また同時に，免疫チェックポイント阻害剤同士の併用療法の開発も進められており，そのなかでもニボルマブとCTLA-4抗体薬のイピリムマブの併用療法は，悪性黒色腫や腎細胞癌，非小細胞性肺癌で有効性が報告されており，肝細胞癌においても上記の併用療法の臨床試験の結果が待たれる．
詳細
Nivolumab and ipilimumab in advanced HCC and other carcinoma
山本 駿 奥坂 拓志
国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院肝胆膵内科