肝胆膵第77巻第2号
進行肝細胞癌に対するペムブロリズマブの治療成績―KEYNOTE-224-Studyから―
電子書籍のみ
- 鳥村 拓司(久留米大学)
- 発行日:2018年08月28日
- 〈要旨〉
KEYNOTE-224-Studyは切除不能進行肝細胞癌患者のうちソラフェニブ治療に不応もしくは不耐となった症例を対象に抗PD-1抗体であるペムブロリズマブを用いて行われた.その結果,完全寛解率1.0%,部分寛解率15.4%,病勢制御率は61.5%であった.治療効果持続期間の中央値は8.2か月と長期間にわたり治療効果が持続した.無増悪生存期間の中央値は4.8か月,3か月,6か月生存率はおのおの91.3%,77.9%であった.副作用は,全体で73.1%に出現し,「掻痒感」21.2%,「倦怠感」12.5%,ASTの上昇と下痢が9.6%であった.Grade 3以上の副作用は25.0%に出現し,治療中止は6.7%に認められ,1例が副作用により死亡した.肝臓関連の副作用は自己免疫系の肝障害が2.9%に出現したが,肝炎ウイルスの再活性化はみられなかった.
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Therapeutic efficacy of pembrolizumab for advanced hepatocellular carcinoma
鳥村 拓司
久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門