肝胆膵第77巻第2号
レンバチニブの高い奏効率の臨床的意義
電子書籍のみ
- 田中 克明（秦野赤十字病院）
- 発行日：2018年08月28日
- 〈要旨〉
REFLECT試験におけるレンバチニブの奏効率40.6％（mRECIST）はソラフェニブの奏効率を大きく凌駕し，標的病変径和の最大変化率においてもレンバチニブ群はソラフェニブ群と比べて腫瘍縮小を示す症例が多いことが示された．これらの結果を踏まえると，①down-staging狙いでレンバチニブを使用し，conversion optionを導入すること，②intermediate stage （BCLC stage B），up-to-7 outの両葉多発の肝癌はTACEの治療効果が悪いことにより，TACEをスキップしてレンバチニブを導入する選択肢が期待されていること，③巨大肝癌や高度脈管侵襲例でも抗腫瘍効果期待でレンバチニブを選択してもよいと思われるが，REFLECT試験では腫瘍肝占拠率50％以上，明らかな胆管浸潤，門脈本幹への浸潤（Vp4）例は除外されていることに留意する必要がある．
詳細
Clinical advantage of high response rate of lenvatinib
田中 克明
秦野赤十字病院