肝胆膵第77巻第2号
レゴラフェニブのソラフェニブ耐性に対する効果発現機序−update−
電子書籍のみ
- 山下 太郎(金沢大学)
- 発行日:2018年08月28日
- 〈要旨〉
肝細胞癌は世界第2の癌死亡原因である.本邦においては有効なスクリーニングシステムの普及により生存期間の延長が認められるものの,進行肝細胞癌の平均生存期間は1年未満であり,極めて予後不良な難治性癌の一つである.進行肝細胞癌に対し分子標的薬であるソラフェニブが使用されてきたが,ソラフェニブ不応後に有効な二次治療薬については長らく見いだされなかった.2017年,レゴラフェニブがソラフェニブに忍容性のある患者集団において,プラセボと比較し統計的に有意にソラフェニブ不応後の全生存期間延長効果を有する薬剤であることが報告された.本稿では基礎的データから肝細胞癌におけるソラフェニブ抵抗性の獲得とレゴラフェニブの作用機序についてわれわれの検討結果を紹介する.
詳細
The effect of regorafenib on sorafenib-resistance in hepatocellular carcinoma
山下 太郎
金沢大学附属病院総合診療部