肝胆膵第77巻第2号
レゴラフェニブの基礎データと他標的薬との併用
電子書籍のみ
- 小玉 尚宏,他(大阪大学)
- 発行日:2018年08月28日
- 〈要旨〉
レゴラフェニブは,RAF,VEGFR,TIE2,PDGFRなどの多様なキナーゼを阻害することで,腫瘍血管新生阻害や腫瘍増殖抑制作用を発揮する経口マルチキナーゼ阻害剤である.近年その新たな作用機序として,アポトーシス誘導能や上皮間葉転換阻害作用に加えて,免疫チェックポイント分子阻害作用などが明らかとなってきた.また,レゴラフェニブは,PI3K/AKT経路,IGF-1R,EGFRやアポトーシス抑制性のBcl-2ファミリー蛋白に対する阻害剤との併用により相乗的な抗腫瘍効果を発揮することが報告されている.さらに,レゴラフェニブはメトホルミンやシルデナフィルとの併用においても強い抗腫瘍効果が認められており,これらの薬剤のdrug repositioningによる併用療法の可能性が期待される.
詳細
MOA of regorafenib and its potential combination therapy
小玉 尚宏 竹原 徹郎
大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学