肝胆膵第81巻第2号
経口膵管鏡下膵石破砕術のコツ
電子書籍のみ
- 山本 健治郎,他(東京医科大学)
- 発行日:2020年08月28日
- 〈要旨〉
慢性膵炎は繰り返す炎症と線維化形成により膵腺房組織の破壊・脱落を起こす進行性の炎症性疾患であり,膵内外分泌の機能不全をきたす.特に主膵管内に膵石を発症すると膵管は閉塞し,膵液うっ滞や膵管内圧の上昇を惹起し,疼痛や膵炎の原因となる.そのため膵石の除去を行うことは症状緩和,膵炎進行予防,そしてQOL改善の観点から重要である.現在膵石症治療はその侵襲性の低さからESWLを含めた内視鏡治療が第一選択とされているが,近年膵管鏡下にelectrohydraulic lithotripsyやレーザーを用いて砕石する治療法(経口膵管鏡下膵石破砕術)が報告されるようになった.その結石消失率は43~100%,偶発症率は0~13.5%とされ,その有効性・安全性が示されている.今後,経口膵管鏡下膵石破砕術が膵石症の確立した治療選択肢の一つとなることを期待したい.
詳細
Tips of pancreatoscopy-assisted lithotripsy
山本 健治郎 祖父尼 淳 土屋 貴愛 石井 健太郎 田中 麗奈 殿塚 亮祐 本定 三季 向井 俊太郎 永井 一正 糸井 隆夫
東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野