肝胆膵第81巻第2号
胆道消化管瘻Bilioenteric fistula の病態と治療-Bouveret症候群と合わせて-
電子書籍のみ
- 岩崎 栄典,他(慶應義塾大学)
- 発行日:2020年08月28日
- 〈要旨〉
胆石胆嚢炎あるいは総胆管結石胆管炎の合併症として,嵌頓した胆石による機械的な圧迫と胆道壁の壊死などにより周囲消化管へ穿通し瘻孔形成をきたす胆道消化管瘻Bilioenteric fistulaが起こり得る.瘻孔を介して胆石が消化管へ脱落した場合,通常であれば無症状で便へ排出される.しかしながら消化管の狭窄・変形部に対して相対的に大きい胆石が落下した場合は嵌頓をきたし,いわゆる「胆石イレウス」を発症することがある.稀な病態ではあるが,画像所見や症状が典型的で興味深く,多くの症例報告がされている.また最近は一律に手術を選択せずに,嵌頓結石を内視鏡を用いて破砕する症例報告が増えている.
詳細
Pathophysiology and treatment of bilioenteric fistula
岩崎 栄典*1 鳥海 史樹*2 大平 正典*2 前田 祐助*2 上田 真裕*3 金井 隆典*1
*1慶應義塾大学医学部消化器内科
*2東京都済生会中央病院外科
*3同 消化器内科