肝胆膵第81巻第2号

胆管結石・胆嚢結石の成因・機序・病態

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  • 大屋 敏秀(中国労災病院)
  • 発行日:2020年08月28日
  • 〈要旨〉
    胆石症は,胆嚢,総胆管,肝内胆管において,胆汁成分が析出・凝集して発生する.胆石は構成成分からコレステロール石と色素石に分類され,形成の成因は異なる.コレステロール石は,コレステロール過飽和胆汁の生成に伴い発生する.過飽和胆汁は,5F(fatty,female,over-forty,fertile,fair)に代表される,多くの因子の影響を受けて出現する.一方,色素石は胆道系の炎症の影響を受けてビリルビンの溶存形態の変化に伴い発生する.臨床的に胆石の存在は,胆汁の流出障害を惹起する.胆管結石は総胆管において嵌頓すると閉塞性黄疸となり急性胆管炎,菌血症,DICの合併の原因となる.肝内結石は,嵌頓部位より末梢の胆汁流出を阻害し,肝実質の萎縮や発癌の母地となる危険性を含んでいる.胆嚢結石は,胆石発作と称される疼痛や胆嚢炎の原因となる.胆石は,無症状の症例から致死的な状態まで,さまざまな病態を呈し得る疾患であり,積極的な結石除去あるいは経過観察など治療方針を明確にすることが重要である.

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Pathogenesis and mechanisms of gallstone formation
大屋 敏秀
労働者健康安全機構中国労災病院消化器内科