レンバチニブによる肝細胞癌治療
レンバチニブの初期経験からみえてきたこと
電子書籍のみ
- 和田 幸之,他(九州医療センター)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
肝細胞癌に対する化学療法は2009年にソラフェニブが登場し,約10年が経過してようやくソラフェニブに対し非劣性を証明したレンバチニブが2018年3月に承認を受け,実臨床で使用されるようになった.当院では,2018年3〜9月末までに進行肝細胞癌25例に対しレンバチニブが導入された.有効性をみると,naive症例は奏効率45.5%とREFLECT試験と同様であったが,ソラフェニブ不応例でも奏効率18.2%と比較的良好な効果を示した.安全性については,副作用はソラフェニブと異なり,疲労,食欲不振,肝障害などの頻度が高く,特に疲労は休薬・減量の主因であった.特に,肝機能不良例は重篤な有害事象が必発であり,適応には非常に慎重な判断が望まれる.
詳細
Early experience of lenvatinib treatment for advanced hepatocellular carcinoma
和田 幸之 高見 裕子 龍 知記 佐々木 晋 原 貴信 才津 秀樹
国立病院機構九州医療センター肝胆膵外科・臨床研究センター