レンバチニブによる肝細胞癌治療
レンバチニブの初期使用経験
電子書籍のみ
- 相方 浩,他(広島大学)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
当院で経験したレンバチニブ20例の初期治療成績を解析した.安全性プロファイルは,REFLECT試験とほぼ同様であったが,休薬・減量を要するまでの期間は約2週と短かった.レンバチニブ開始後シャント型肝性脳症を発症し,シャント塞栓術後投与継続可能となった症例を経験した.全体の奏効率 (mRECIST)は30%であった.85%の症例で開始2週のAFP値の低下を認め,そのうち,さらに4週まで持続的にAFP値が低下した症例の奏効率は75%と高かった.一方,レンバチニブの減量,休薬によりAFP値はすみやかに上昇に転じ,これらの症例では奏効率が低く,治療効果と内服アドヒアランスとの鋭敏な関連が示唆された.引き続き,適切な症例選択,副作用マネジメントおよび用量調節に基づいた長期成績の解析が期待される.
詳細
Early clinical experience of lenvatinib for hepatocellular carcinoma
相方 浩 児玉 健一郎 内川 慎介 難波 麻衣子 大屋 一輝 盛生 慶 山内 理海 大野 敦司 河岡 友和 茶山 一彰
広島大学病院消化器・代謝内科