レンバチニブによる肝細胞癌治療
分子標的薬の新たなアプローチ -体重別の用量設定-
電子書籍のみ
- 池田 健次(虎の門病院)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
レンバチニブは第Ⅱ相試験で高い奏効率が示されたが,有害事象により減量基準・中止基準となる症例が少なくなかった.血中濃度などの薬物動態の検討で,低体重者や血中濃度高値例での有害事象が多いことが明らかとなり,低体重者(60 kg未満)には1日1回8 mg,高体重者(60 kg以上)には1日1回12 mgの投与量が適切であることが判明した.国際的に行われた第Ⅲ相試験では,この体重別用量設定のもと治験が行われ,有害事象が問題になることなく,ソラフェニブに対する非劣性が証明されるに至った.肝癌は肝機能障害による毒性が発現しやすいと考えられるが,今回行われたような症例による適切な用量設定が今後の薬剤開発に有用であることを認識すべきである.
詳細
Appropriate dose setting in lenvatinib treatment based on body weight stratification
池田 健次
虎の門病院肝臓センター