レンバチニブによる肝細胞癌治療
レンバチニブによる抗腫瘍効果にheterogeneityがみられた多発肝細胞癌の1症例
電子書籍のみ
- 豊田 秀徳,他(大垣市民病院)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
症例は66歳男性.肝細胞癌の肝内多発再発に対してレンバチニブの投与を開始したところ,多発する肝細胞癌の腫瘍血流はまだら状に低下し,治療前と同様に多血性の血流が保たれている腫瘍と,ほぼ血流がなくなっている腫瘍が混合してみられた.この所見は治療開始2週目から認められ,4週目でも同様の所見であった.本症例は単一の症例においても分子標的薬の効果が異なる腫瘍が混在し,肝細胞癌患者の予後延長のためには,ほかの分子標的薬や免疫チェックポイント阻害剤との併用による肝細胞癌の制御が必要であることを示唆する症例であった.
詳細
Heterogenous anticancer efficacy of lenvatinib in patients with multiple hepatocellular carcinoma
豊田 秀徳*1 多田 俊史*1 安田 諭*1 熊田 卓*2
*1大垣市民病院消化器内科
*2大垣女子短期大学看護学部