レンバチニブによる肝細胞癌治療
久留米大学消化器内科関連施設におけるレンバチニブの使用経験
電子書籍のみ
- 鳥村 拓司,他(久留米大学)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
当科とその関連施設でレンバチニブを使用した53例の治療成績や副作用について記載した.治療期間の中央値は86日(6~262)で,mRECISTによる治療効果判定では完全寛解(CR)が4%,部分寛解(PR)が34%,安定(SD)が41%,進行(PD)が15%,評価不能が6%で奏効率38%,病勢制御率79%であった.副作用の出現率は87%であり,治療が中止となった20例のなかで,副作用による中止が11例で最も多かった.副作用の内訳は重複例も含めて倦怠感が18例に出現し最も多かった.次いで高血圧12例,手足症候群11例,食欲不振9例,下痢6例,蛋白尿5例,肝障害4例,甲状腺機能低下4例の順であった.以上のように,レンバチニブはソラフェニブに比べ奏効率は高かったが,より一層の治療効果を引き出すためには,高血圧,蛋白尿,倦怠感,食欲不振などの副作用に対する対応が必要と思われる.
詳細
Treatment of advanced HCC with lenvatinib –our experience–
鳥村 拓司 岩本 英希 中野 聖士
久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門