レンバチニブによる肝細胞癌治療
肝細胞癌高度門脈腫瘍栓に対するB-TACE後レンバチニブ導入の経験
電子書籍のみ
- 田邊 暢一,他(仙台医療センター)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
80歳代,女性.造影MRIで肝左葉に塊状型の肝細胞癌と門脈左枝の腫瘍栓(Vp3)を認めた.Child-Pugh scoreは5点(Grade A).腫瘍栓への主栄養血管を同定し選択的B-TACEを施行した.術後は腫瘍栓への良好なリピオドール®の集積を認めソラフェ二ブ400 mgも導入したが,3か月後には腫瘍栓部の再発がみられ再度B-TACEを要した.術後は再び腫瘍栓部にリピオドール®集積を認めたが,複数の有害事象と肝予備能の悪化がみられたためソラフェ二ブを中止した.1か月後に肝予備能の回復ありレンバチニブ4 mgを開始し,その後は腫瘍栓の進展はみられていない.腫瘍栓の増悪に対応して上昇していたPIVKA-Ⅱは,2回のB-TACE直後およびレンバチニブ開始後にのみ下降がみられた.レンバチニブ開始2か月後に血小板減少がみられたが,減量せず継続可能であり,そのほかの有害事象はみられていない.
詳細
Start of lenvatinib after balloon-occluded TACE (B-TACE) in case of hepatocellular carcinoma with major portal vein tumor thrombosis (PVTT)
田邊 暢一 無量井 章
国立病院機構仙台医療センター消化器内科