レンバチニブによる肝細胞癌治療
レンバチニブにより病勢コントロール可能となった切除不能再発肝細胞癌の1症例
電子書籍のみ
- 楊 昌洋,他(日本大学)
- 発行日:2019年01月21日
- 〈要旨〉
レンバチニブが登場したことにより肝癌治療における分子標的薬治療の幅が変化してきている.TACE不応,ソラフェニブを有害事象で中断した再発肝細胞癌に対してレンバチニブを選択し奏効した症例を経験したので,若干の考察を加え報告する.症例はB型肝炎ウイルスキャリアの46歳女性.肝細胞癌に対し3回の外科切除後の肝内再発に対しTACEを合計13回施行したが新規病変が増加し門脈右枝の腫瘍栓が出現し不応と判断した.ソラフェニブを使用したが皮膚症状のため中断し,レンバチニブ8 mg/日へ変更した.投与後2か月の腹部造影CTで明らかな腫瘍濃染の消失が確認され,腫瘍マーカーはAFP,PIVKA-Ⅱともに速やかに低下した.投与開始6か月間でGrade 2以上の有害事象が出現することはなく,現在もレンバチニブ内服のみで病勢はコントロールされている.
詳細
A case of unresectable recurrent hepatocellular carcinoma with remarkable response to lenvatinib
楊 昌洋 山崎 慎太郎 高山 忠利
日本大学医学部外科学系消化器外科学分野