肝細胞癌に対するレゴラフェニブ治療
肝細胞癌に対するレゴラフェニブの使用経験-有害事象に着目して-
電子書籍のみ
- 森口 理久(京都府立医科大学)
- 発行日:2017年12月22日
- 〈要旨〉
RESORCE試験においてHCCに対するレゴラフェニブの有用性が示され,2017 年6月,ソラフェニブに続き,エビデンスのある第二の全身化学療法薬として承認された.ソラフェニブ登場以降,多数の薬剤が承認に向けて第相試験に挑み失敗に終わったが,RESORCE試験が成功したポイントの一つとして,ソラフェニブに忍容性があり,画像上PDと判定された症例のみをエントリー可能とした点があげられる.レゴラフェニブの構造式はソラフェニブに極めて類似しているため,有害事象のプロファイルもソラフェニブに類似し,より強く生じる可能性が示唆されており,他癌腫に対する使用ではすでに重篤な有害事象も報告されている.ソラフェニブ・レゴラフェニブのsequential治療は非常に良好な成績が示されており,HCC診療において重要な治療戦略の一つになっていくものと思われるが,治療効果を最大限に引き出すためにも,レゴラフェニブの適応基準を遵守し,有害事象に対し細心の注意を払いつつ,適切なマネジメントを行っていくことが望まれる.
詳細
Experience of regorafenib for hepatocellular carcinoma; focus on adverse events
森口 理久*1,2
*1京都府立医科大学消化器内科
*2静岡県立静岡がんセンターIVR 科