肝細胞癌に対するレゴラフェニブ治療
当院におけるレゴラフェニブ適格例の検討と使用経験
電子書籍のみ
- 西島 規浩・他(大阪赤十字病院)
- 発行日:2017年12月22日
- 〈要旨〉
肝細胞癌の分子標的治療の初の2nd line薬として,レゴラフェニブが臨床の現場に登場した.RESORCE試験において,ソラフェニブ治療でPDとなった症例に対する2nd lineとしての有用性が示されたものであるが,ソラフェニブ不耐例や肝予備能低下例は適格例とはならない.RESORCE試験の適格例の基準を参照すると,当院において,Child-Pugh Aでソラフェニブ開始した症例のうち,レゴラフェニブ導入の対象となりうるのは35.5%であった.肝予備能低下により対象外となる症例もあり,今後は肝予備能を意識した肝細胞癌治療のストラテジーの再考を要する.また,当院においてレゴラフェニブを投与した3症例について臨床経過を報告する.レゴラフェニブはソラフェニブと比較し,手足症候群や肝機能障害などの副作用の頻度が高く,より慎重な副作用管理が重要である.
詳細
Use of regorafenib as a second line therapy for hepatocellular carcinoma
西島 規浩 木村 達 大﨑 往夫
大阪赤十字病院消化器内科