肝細胞癌に対するレゴラフェニブ治療
肝細胞癌と結腸・直腸癌に対するレゴラフェニブの安全性プロファイル
電子書籍のみ
- 寺島 健志・他(金沢大学附属病院)
- 発行日:2017年12月22日
- 〈要旨〉
ソラフェニブ投与後に進行した切除不能肝細胞癌(HCC)にレゴラフェニブの有用性が示された.本邦においてレゴラフェニブは2013年より,結腸・直腸癌(CRC)および消化管間質腫瘍に広く用いられている.当院において投与開始用量160 mgでレゴラフェニブを投与されたHCC症例6例およびCRC症例7例を対象として,安全性プロファイルを癌種別に検討した.CRC症例と比較してHCC症例では,下痢の頻度が少ない,手足皮膚反応をはじめとした自覚される有害事象の発現時期が遅い,Grade 3以上の血小板数減少の頻度が高いといった特徴を有していた.HCC症例では消化管病変がなく,原則として入院で導入していること,ベースの血小板数が少ないことなどがそれらの要因として考えられ,これらの特徴を念頭に症例に応じた有害事象対策を行うことが重要と考えられる.
詳細
Safety profile of regorafenib for hepatocellular carcinoma and colorectal cancer
寺島 健志 山下 竜也 金子 周一
金沢大学附属病院消化器内科