肝胆膵第75巻第2号
レゴラフェニブの臨床試験はなぜ成功したのか−試験デザインについての考察−
電子書籍のみ
- 小笠原 定久,他(千葉大学)
- 発行日:2017年08月28日
- 〈要旨〉
2007年のASCOにてソラフェニブの有効性を示す結果が発表されて以降,複数の有望な化合物による二次治療の臨床試験が行われてきたが,いずれも成功することができなかった. 2016年のWGCGにおいて発表されたRESORCE試験の結果において,ソラフェニブ不応症例に対するレゴラフェニブの有効性が示されるまで,実に9年もの歳月を要した.RESORCE試験の成功の要因は,レゴラフェニブの薬物の効果だけではなく,ソラフェニブ不応症例の二次治療の臨床試験において抑えるべきポイントを十分に勘案した試験デザインであったことがあげられる.本稿では,ソラフェニブの有効性が示されて以降に行われた,成功することができなかった二次治療の臨床試験から何を学び,RESORCE試験のデザインでどのように反映されたかを考察する.
詳細
The reason why RESORCE study was positive in sorafenib treated patients with advanced hepatocellular carcinoma
小笠原 定久*1,2 千葉 哲博*1 齊藤 朋子*1 鈴木 英一郎*1 大岡 美彦*1 太和田 暁之*1 横須賀 收*3,4 加藤 直也*1
*1千葉大学大学院医学研究院消化器内科学
*2千葉大学医学部附属病院臨床試験部
*3地域医療機能推進機構船橋中央病院
*4千葉大学