肝胆膵第75巻第2号
動注はレジメンによって効果に差があるか−特にNew FPとLow dose FPについて−
電子書籍のみ
- 田中 正俊,他(医療法人弘恵会ヨコクラ病院)
- 発行日:2017年08月28日
- 〈要旨〉
肝動注レジメンのLow dose FPとNew FPについて,Stage Ⅳaで治療開始したLFP治療症例83例とNew FP治療症例105例を検討した.その結果,肝機能がChild-Pugh Aの症例にはNew FPレジメンで治療を開始した方が,治療効果が高く,生存率も良好であることが明らかになった.一方,Child-Pugh Bの症例の生存率は変わらなかった.さらに,New FPレジメンで効果のみられた症例に対しては,より治療効果の確実な肝切除や放射線治療で追加治療することにより,およそ25%の症例で5年生存率50%が得られていた.この結果から,肝機能が良好な進行肝細胞癌の初回の寛解導入治療には,より奏効率の高い治療法を選択することが適切と考えられる.
詳細
Is hepatic arterial infusion chemotherapy (HAIC) different in effect depending on regime? Special concerning about New FP and Low dose FP regime
田中 正俊*1 新関 敬*2 岩本 英希*2 下瀬 茂男*2 城野 智穀*2 古賀 浩徳*2 鳥村 拓司*2
*1医療法人弘恵会ヨコクラ病院臨床研究センター
*2久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門