肝胆膵第75巻第2号
動注化学療法は生き残れるか−臨床経験からの考察−
電子書籍のみ
- 小尾 俊太郎,他(帝京大学ちば総合医療センター)
- 発行日:2017年08月28日
- 〈要旨〉
レゴラフェニブは,ソラフェニブによる治療後に病勢進行が認められた症例を対象としているので,ソラフェニブのMST 10.7か月(SHARP trial)にレゴラフェニブのMST 10.6か月(RESORCE試験)を単純に加えると21.1か月となる.ソラフェニブに忍容性があれば,進行肝細胞癌でもMSTが20か月得られる時代が到来したことになる.動注化学療法もCR(87/845例)群ではMST 29.3か月得られる(Child-Pugh B も含む).分子標的薬も動注化学療法においても,簡便で正確な奏効予測因子が解明されれば,より効果的な治療を行うことができる.すべての患者に分子標的薬の忍容性があるわけではないので,現状の動注化学療法は分子標的薬の補完的な役割を担っていくと思われる.
詳細
Hepatic arterial infusion chemotherapy in molecular targeted drugs era
小尾 俊太郎*1,2 佐藤 隆久*1,2 道田 知樹*1 佐藤 新平*2 河井 敏宏*2 近藤 祐嗣*2 杉本 貴史*2 菅田 美保*2
*1帝京大学ちば総合医療センター内科
*2公益財団法人佐々木研究所附属杏雲堂病院消化器・肝臓内科