臨床精神医学第52巻第5号

統合失調症家族心理教育に参加した親のExpressed Emotion,教育後Expressed Emotion 低下度および悩みの三者間の関係─異なる地域の3 病院での調査から

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  • 渡部 和成(田宮病院)
  • 発行日:2023年07月28日
  • 地域の異なる3病院で統合失調症家族心理教育に参加した親113人を対象とし調べた。家族心理教育開始時のExpressed Emotion(家族の患者への拒否感や苛立ち等から成る感情表出。以下,EE)の値が高い親ほど,家族心理教育の効果を示すEE低下度は比較的強い相関を持って大きかった(Pearsonの| r |は0.42)。開始時EEは,全体的悩み,服薬継続・病状急変の悩みや生活の不自由さ・疲労等の悩みが大きいほど,弱い相関ながらも高かった(r = 0.22 ~ 0.35)。EE低下度はどの種類の悩みでも悩み数との相関なくほぼ同程度であった。一方,3病院間では,開始時EEや年齢について一部有意差があったが,EE低下度では有意差なく,多い悩みの種類は異なっていた。本研究は,病院や地域の特性の影響を小さくでき結果の精度を高められた。家族のEEや悩みに関する研究では,それらの特性に十分注意を払う必要があろう。

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Relationship among expressed emotion, its decrease by education and distress in parents participating in the family psychoeducation program for schizophrenia: a study using the data from 3 hospitals in the different regions
渡部 和成
医療法人崇徳会田宮病院