臨床精神医学第52巻第5号

ポリジェニックリスクスコアは統合失調症の臨床に有用か

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  • 大井 一高(岐阜大学)
  • 発行日:2023年05月28日
  • 〈抄録〉
    統合失調症は,臨床的・遺伝的に異種性を呈する精神疾患である。その異種性を軽減するための中間表現型としては認知機能や脳構造などがあげられる。全ゲノムにわたる遺伝子多型(SNP)を網羅的に調べる大規模全ゲノム関連解析(GWAS)が,種々の精神疾患や中間表現型で行われ,多数のゲノム座位が同定されている。しかし,同定された各SNPが精神疾患や中間表現型に及ぼす効果は非常に弱い。一方,ポリジェニック(リスク)スコア(PRSまたはPGS)は,大規模GWASにおける全ゲノムにわたるSNP情報を利用して強く関連するSNPだけでなく非常に弱く関連するSNPも含め多くのSNPの相加効果を算出したスコアであり,PRS(PGS)が個々のSNPよりも高い割合で精神疾患や中間表現型に関わる遺伝的基盤を説明できることが示されている。本稿では,PRS(PGS)が統合失調症の臨床に有用かについて筆者らの研究結果を紹介しつつ考察する。

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Are polygenic risk scores useful in clinical practice for schizophrenia ?
大井 一高
岐阜大学大学院医学系研究科精神医学