臨床精神医学第52巻第5号

過食性障害/むちゃ食い症の治療

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  • 中井 義勝・他(京都健康科学研究所)
  • 発行日:2023年07月28日
  • 〈抄録〉
    過食性障害/むちゃ食い症(BED)の女性患者を対象に外来治療を2年間行い,治療経過と転帰を調査した。対象者を発症要因から,2例の食事制限発症群と4例のストレス発症群に分類した。治療は保険診療で,強化認知行動療法に準じて行ったが,1回の診療時間が短いのでセッションの回数で調整した。精神科併存症と身体的合併症には,必要に応じて薬物治療を実施した。食事制限発症群では,治療開始24か月後に,体格指数,社会への適応は回復した。むちゃ食いは週平均0.2回以下まで減少し,体重/体型へのこだわりの程度は軽減した。一方,ストレス発症群では,治療開始24か月後に食行動異常,体格指数,体重/体型へのこだわりの程度および社会への適応が完全に回復していた。これらの結果は,今回実施した治療法がBEDの治療に有用であることを示唆する。

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Treatment of binge-eating disorder
中井 義勝*1 任 和子*2
*1京都健康科学研究所
*2京都大学大学院医学研究科人間健康学専攻