臨床精神医学第49巻第11号
矯正施設長通報の現状(その2)─事前調査の概要について─
電子書籍のみ

- 瀬戸 秀文・他(長崎県病院企業団長崎県精神医療センター)
- 発行日:2020年11月28日
- 〈抄録〉
矯正施設長通報において,どのように指定医診察の要否が判断されているのか明らかにするために,2016年度の矯正施設長通報のうち,「その1」で区分したように,通報のみで終了した291例と,指定医診察が行われた98 例について,通報書と事前調査書の内容を比較した。通報書の検討では,帰住地がない例,具体的な自傷他害行為の記載がある例,重大他害行為の既往がある例で診察実施される傾向がうかがわれた。事前調査書では,幻覚妄想が明らかな例や自傷他害行為,診断歴,治療歴・受診の状況があれば診察実施と判断されていた。アルコール・薬物乱用の有無では,そうした問題がない例で診察実施と判断されていた。矯正施設長通報の顕著な増加のもとで,診察不要とされる例が圧倒的に多いが,精神症状が明らかな例や問題行動が重篤な例では診察実施されており,指定医診察の要否についての適正な通報や事前調査が行われている様子が明らかとなった。
詳細
Current situation of patients reported by correctional facilities according to Article 26 of the Mental Health Welfare Act of Japan (Part 2): Overview of notifications and preliminary surveys
瀬戸 秀文*1,2,8 稲垣 中*3 島田 達洋*4 大塚 達以*5,9 太田 順一郎*6 吉住 昭*2,7
*1 長崎県病院企業団長崎県精神医療センター
*2 国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部社会精神医学部門
*3 青山学院大学
*4 栃木県立岡本台病院
*5 宮城県立精神医療センター
*6 岡山市こころの健康センター
*7 医療法人社団 翠会八幡厚生病院
*8 福岡県立精神医療センター太宰府病院
*9 東北大学大学院医学系研究科精神神経学分野