臨床精神医学第49巻第11号
ためこみ症は行動嗜癖なのか
電子書籍のみ
- 溝部 太郎・他(九州大学)
- 発行日:2020年11月28日
- 〈抄録〉
ためこみ症の主症状であるためこみは,所有物の実際の価値とは関係なく,過剰な収集,整理不能,廃棄の困難さによる取り散らかりの持続を指す。典型的な収集家とためこみ症者は,その行動の機能が明瞭に異なるため区別することは容易い。ためこみ症や収集癖にみられる収集行動は物品に対する愛着やほかの理由によって強化されやすく,衝動制御障害という観点からも行動嗜癖の側面を持つといえる。一方でためこみ症や極度の収集癖において過剰な収集行動が持続するプロセスには,意思決定の困難さ,報酬系の異常といった高次認知機能の障害が複合的に影響している可能性があり,結果として行動嗜癖では説明が難しい散らかりや廃棄困難といった症状が出現する。このため重篤な生活機能障害に至りやすい。
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Is hoarding disorder considered as behavioral addiction?
溝部 太郎 中尾 智博
九州大学大学院医学研究院精神病態医学