臨床精神医学第49巻第11号
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- 特集/行動嗜癖・こだわりの行動−強迫性障害・依存・常同行動をどのように診るか−
- 発行日:2020年11月28日
- Karimらは、行動嗜癖としてギャンブル依存、インターネット依存、セックス依存、買い物依存、食べ物依存、運動依存、仕事依存、窃盗癖、放火癖、収集癖、抜毛癖を挙げている(Karim et al. J Psychoactive drugs, 2012. APA. DSM-5, 2013)。このような行動嗜癖は、DSM-5で独立した章立てとなった強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder)だけでなく、依存や常同行動として理解されてきた異常行動をも含んでいる。DSM-5が独立させたOCDの項目に限らず、広くその周辺の嗜癖行動を同じ特集の中で概説することは、臨床科にとって有益な特集となるであろう。そのような立場から、DSM-5からやや外れた内容となることを承知しつつ、強迫性障害、依存、常同行動を含めた章立てを考えた。
詳細
〈目次〉
強迫スペクトラム障害の概念とその病態 (兵庫医科大学)松永 寿人
セロトニン・ドパミン・グルタミン酸系と強迫・依存・常同行動 (大阪河﨑リハビリテーション大学)武田 雅俊
強迫性パーソナリティ障害の診断および他疾患との関連の変遷 (京都府立医科大学)松本 佳大・他
歯科領域にみられる身体醜形障害 (北海道医療大学)松岡 紘史・他
自傷性皮膚炎・皮膚引っ掻き症 (はしろクリニック)羽白 誠
自閉スペクトラム症(ASD)の常同行動 (埼玉県立大学)林 恵津子
統合失調症の強迫症状 (特定医療法人宗仁会筑後吉井こころホスピタル)飯倉 康郎
神経変性疾患における常同行動 (東京慈恵会医科大学)品川 俊一郎
ためこみ症は行動嗜癖なのか (九州大学)溝部 太郎・他
ギャンブル障害 (東京医科歯科大学)田村 赳紘・他
インターネット依存 (広島大学保健管理センター)岡本 百合
クレプトマニア(盗症,盗癖) (京都大学)梁瀬 まや
セックス依存症(Sexual Addiction)の新展開─安定した男女関係・家庭生活を営む〈既婚者〉のセックス依存症─ (ひがしすみだカウンセリングルーム)土田 恭史・他
食べ物依存─報酬系の制御異常と摂食障害─ (大阪市立大学)宮本沙緒里・他
ワーカホリック─働きすぎる日本人への処方せん─ (筑波大学)池田 朝彦・他
研究報告
矯正施設長通報の現状(その1)─通報された事例ならびに措置入院に関する診察を受けた事例の概要について─ (長崎県病院企業団長崎県精神医療センター)瀬戸 秀文・他
矯正施設長通報の現状(その2)─事前調査の概要について─ (長崎県病院企業団長崎県精神医療センター)瀬戸 秀文・他