臨床精神医学第49巻第11号

食べ物依存─報酬系の制御異常と摂食障害─

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  • 宮本 沙緒里・他(大阪市立大学)
  • 発行日:2020年11月28日
  • 〈抄録〉
    過食嘔吐を伴う摂食障害は,食物への強い渇望ややめたいのにやめられないという嗜癖性の観点から依存症と類似しており,「食べ物依存」と表現することができる。脳機能研究により摂食障害の各病型での報酬系の働きが報告されており,中でも肥満傾向となる過食性障害で認められる報酬系の機能低下は,過食のいくら食べても満足できない状態に関連する可能性も示唆される。過食性障害の治療では,精神科が主として治療してきた神経性やせ症や過食症とは対照的に,内科での肥満治療が一般的で低カロリー食や運動による減量治療や報酬系に作用する抗肥満薬や肥満手術などが行われてきた。しかし,食べ物への依存や食行動の問題は,患者の心理的ストレスや環境要因などを含む複雑な摂食調節機構の影響をも受けていることから,治療に難渋することも多い。今後は,食べ物がもつ嗜癖の側面を考慮しながら心身の問題に対する包括的な治療法の確立が求められている。

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Food addictions-eating disorders and dysregulation of reward system
宮本 沙緒里 山内 常生
大阪市立大学大学院医学研究科神経精神医学