臨床精神医学第48巻第7号
At Risk Mental State からの顕在発症
電子書籍のみ

- 内野 敬・他(東邦大学)
- 発行日:2019年07月28日
- 〈抄録〉
「3年で3 割」。これが示すのは,At Risk Mental State(ARMS)の定義を満たす者が,のちに統合失調症を中心とした精神疾患を顕在発症するおおよその割合である。後に精神病状態に移行するか否かは極めて重要な点である。しかし,精神病性障害を陽性症状のみに基づくカテゴリカルな分類にはめ込むことの限界が指摘されているように,ARMSを顕在発症という観点のみでとらえることは適切ではない。そのため,ARMSを単に,微弱な陽性症状を呈する一群とするのではなく,認知機能障害や社会機能障害など幅広く,かつディメンショナルな視点から理解する必要がある。また,ARMSに関する介入を考えた際にも,陽性症状の軽減は治療・支援の一側面にとどまる。諸外国ではすでに臨床場面において,病期に応じた包括的なアプローチが進んでいる。本邦におけるARMSの理解やその概念の普及は十分とはいえない現状があるが,国内初となる「早期精神病の診療プランと実践例-予備的ガイダンス2017-」が公表されるなど,その動きは活発に広がっている。
詳細
Transition to psychosis and other severe mental disorders in individuals with at risk mental state
内野 敬 根本 隆洋 水野 雅文
東邦大学医学部精神神経医学講座