肝胆膵第77巻第5号
High risk stigmata改訂の要点・診断能
電子書籍のみ
- 大野 栄三郎，他（名古屋大学）
- 発行日：2018年11月28日
- 〈要旨〉
IPMN/MCN国際診療ガイドライン2012はこれまで蓄積されたエビデンスを基に2017年に改訂された．国際診療ガイドラインにおいて分枝型IPMNの手術適応は臨床症状，画像所見によりhigh-risk stigmata（HRS）およびworrisome features（WF）に層別化され規定されている．ガイドライン2012では，①膵頭部嚢胞性病変による閉塞性黄疸，②嚢胞内の造影される充実成分，③主膵管径10 mm以上の3項目がHRSとされていたが，2017年の改訂にて，②の造影される充実成分が造影効果を有する5 mm以上の壁在結節と大きさの規定が加えられた．このHRSの変更により悪性IPMN（浸潤癌）の診断感度の向上が期待される一方，HRSを満たさない症例においても，WFの項目が追加されたことにより，より精度の高い悪性IPMN抽出が可能な方向で改訂がなされていると考えられる．
詳細
Validation of the international consensus guidelines for IPMNs -diagnostic value of high-risk stigmata-
大野 栄三郎＊1 廣岡 芳樹＊2
＊1名古屋大学大学院医学系研究科消化器内科学
＊2同 医学部附属病院光学医療診療部