臨床精神医学第48巻第7号
統合失調症と双極性障害の共通点と差異─脳画像の観点から─
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- 根本 清貴(筑波大学)
- 発行日:2019年07月28日
- 〈抄録〉
クレペリンによる統合失調症と双極性障害の二分法は古くからさまざまな議論を引き起こしてきた。脳画像はこの2つの疾患の共通点と差異を明確にできる可能性がある。構造画像では,統合失調症と双極性障害は萎縮する領域は類似しているが,統合失調症の方が萎縮の範囲が広い。拡散テンソル画像による解析でも,白質の統合性を反映するfractional anisotropyが,共通する領域で低下している。機能画像では,タスクfMRIにて,表情認知課題を行うと双極性障害は感情制御に関わる領域での機能異常が示されるのに対し,統合失調症では,視覚情報の統合に異常がある可能性が示されている。安静時fMRIでは,統合失調症は双極性障害に比べて広範囲な領域での機能的結合の異常が認められる。統合失調症と双極性障害は,局所的には障害される領域を共有しつつ,ネットワークの観点では異なるパターンを呈しているといえる。脳画像の観点から精神疾患の病態を解明していくためには,一種類の画像だけでなく,複数の画像を組み合わせることが必須であり,局所のみならず,ネットワークの解析が必要と考えられる。
詳細
Schizophrenia and bipolar disorder from neuroimaging perspective
根本 清貴
筑波大学医学医療系精神医学