臨床精神医学第48巻第7号
DSMにおける精神病(サイコーシス)の位置づけ
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- 黒木 俊秀(九州大学)
- 発行日:2019年07月28日
- 〈抄録〉
第二次世界大戦後,精神科診断に信頼性を求める機運が国際的にも高まり,DSM-Ⅲにおける操作的診断基準の開発につながった。皮肉なことに,Mayer-Grossによってイギリスに伝えられたSchneiderの一級症状にSpitzerが注目したことが精神病の操作的診断基準の策定に寄与した。DSM-Ⅲでは,精神病を現実検討能力の著しい低下を示す幻覚,妄想,平板化した不適切な感情,および緊張病性または著しく解体した行動によって症候学的に定義し,一級症状により重みづけた。その結果,精神病は複数のカテゴリーに広くまたがって含まれることになり,特に感情(気分)障害のカテゴリーが統合失調症性障害のカテゴリーよりも拡大した。Kendlerの調査によれば,歴史的に記述された重要な精神病症状のいくつか(自閉,両価性など)がDSMの診断基準からは抜け落ちている。DSMは,決して統合失調症とその他の精神病性障害の全体像を捉えているわけではない。
詳細
The status of psychosis in the operational criteria following DSM-Ⅲ
黒木 俊秀
九州大学大学院人間環境学研究院