臨床精神医学第48巻第7号
精神病(Psychose,psychosis)の術語の外延と内包─ドイツ語圏精神医学に焦点をあてて─
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- 加藤 敏(小山富士見台病院)
- 発行日:2019年07月28日
- 〈抄録〉
精神病の術語は,実践的有用性があるなか多義的に用いられ外延が広がる一方,内包は曖昧なままになっている観がある。フォイヒタースレーベンによって最初に提唱された精神病Psychoseの術語は,カレンの神経病neurosisの下位概念として位置づけていた。今日的な意味での精神病概念に至る過程における第1の展開は,クレペリンがマニー,メランコリーとは別種の「独特」の質をもった症状,心的衰弱を呈する早発痴呆の概念を導いたことに求められる。精神病概念の発展にとってもう一つ決定的なのは,フロイトによる神経症概念の形成で,これを通しフロイト,ヤスパースによる神経症と精神病の2分法がなされた。そして第3 の展開は,DSMによる高位概念「精神病性障碍」,および指定子(幻覚,または妄想がある)「精神病性の特徴をもつ」の創出である。本論では,今日の臨床現場での精神病理解に資することを目指しながら,ヤスパース,またフーバーが精神病をいかに捉えていたのか一瞥を加え,精神病状態にある患者との面接に際し多言語の必要性を説いた。
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Extension and intension of the term psychosis –focusing on the German-speaking psychiatry
加藤 敏
医療法人心救会小山富士見台病院