臨床精神医学第47巻増刊号
成人のADHD の薬物療法のコツ
電子書籍のみ
- 岡田 俊（名古屋大学医学部附属病院）
- 発行日：2018年12月28日
- 〈抄録〉
成人期ADHDは，有病率が高く，日常生活に多大な支障をもたらすとともに，ほかの精神疾患とも高率に併存するために，精神科臨床において極めて重要な障害である。しかし，成人期では生育歴の聴取や客観的情報の取得が困難であったり，精神疾患がADHDに類似した不注意，多動性−衝動性を呈することもあることから，確定診断や鑑別診断には困難を伴うことが少なない。また，小児期に比べて薬物療法のエビデンスやガイドラインは不足している。そのため，症状の重症度，機能障害の時間帯，併存障害の有無などを多面的に評価し，そのうえで共有意思決定をふまえて治療を開始すること，治療後の反応を注意深く観察し，必要に応じてADHD診断の再検討を行うことが大切である。
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Tips for treatment of adults with ADHD
岡田 俊
名古屋大学医学部附属病院親と子どもの心療科