肝胆膵第82巻第2号
Fontan-associated liver disease（FALD）を中心としたFontan術後消化器合併症における多科連携の重要性
電子書籍のみ
- 徳原 大介，他（大阪市立大学）
- 発行日：2021年03月28日
- 〈要旨〉
先天性の複雑心奇形に対するFontan手術の術後遠隔期には，循環器系合併症（不整脈など）だけでなく，肝線維化・肝腫瘍などの肝合併症（Fontan-associated liver disease：FALD）や，胃食道静脈瘤・蛋白漏出性胃腸症など多彩な消化器合併症を呈することがわかってきた．Fontan術後は多岐にわたる合併症を念頭におきながら継続的に診療を行う必要があるため，小児期から成人期への医療を円滑に橋渡しする移行期医療が重要であり，各合併症の専門領域の多科連携による集学的診療が求められる．本稿ではFALDを中心とした消化器合併症の疫学・病態生理について概説するとともに，自施設における多科連携によるFontan術後消化器合併症のマネジメントの実際についても紹介する．
詳細
Significance of multidisciplinary teamwork in the management of FALD
徳原 大介＊1 江原 英治＊2 趙 有季＊1 山本 晃＊3 磯浦 喜晴＊1 義之 愛子＊1 草野 弘宣＊4 水落 建輝＊5 桑江 優子＊6 木岡 清英＊7 村上 洋介＊7
＊1大阪市立大学大学院医学研究科発達小児医学
＊2大阪市立総合医療センター小児循環器内科
＊3大阪市立大学大学院医学研究科放射線診断学・IVR学
＊4久留米大学医学部病理学講座
＊5久留米大学医学部小児科学講座
＊6大阪市立大学大学院医学研究科診断病理・病理病態学
＊7大阪市立総合医療センター肝臓内科