肝胆膵第82巻第2号
患者アンケート調査からみた移行期医療の課題
電子書籍のみ
- 児玉 浩子,他(帝京平成大学)
- 発行日:2021年03月28日
- 〈要旨〉
先天代謝異常症患者登録制度に登録している171人のWilson病患者に移行期医療などに関するアンケート調査を行った.回答者は109人(回答率63.8%)で,平均年齢は34.4歳(8 ~67歳),15歳以上は102 人(94%),20歳以上は89人(82%)だった.病型は肝型が62%と多かった.診断医が小児科医であった患者は67%であった.現在の主治医が小児科医である(または,あった)15歳以上の者は82人で,その34%は平均23歳に主治医を変更していた.しかし,54人(66%)は主治医を変更していなかった.自由記述から患者は,「主治医の変更」「専門医でない診療」などで困っていた.これらの結果より,Wilson病の移行期医療の課題として,患者の自立支援,Wilson病関連学会の連携,情報提供ツールの開発が示唆された.
詳細
Vision of medical care from survey on transitional care for Wilson disease patients
児玉 浩子*1 岡山 和代*2
*1帝京平成大学
*2広島国際大学健康科学部医療栄養学科