肝胆膵第82巻第2号
肝内胆管癌の外科的治療－切除可能性から治癒可能性へ：緻密な手術戦略とtransplant oncology がもたらすパラダイムシフト－
電子書籍のみ
- 竹村 裕介，他（北里大学）
- 発行日：2021年02月28日
- 〈要旨〉
肝内胆管癌は完全切除が唯一治癒を目指すことができる手段である．これまで日本の肝胆膵外科医が高度な手術手技を駆使して積極的に切除を手がけ，予後の改善に寄与してきた．近年，Stageや病理分類が相次いで改訂されるとともに2019年に胆道癌診療ガイドライン第3 版，そして2020年12月には日本初の肝内胆管癌診療ガイドライン2021年版が発行された．一方で欧米からは切除不能な肝内胆管癌に対する肝移植で長期生存が得られたと報告されている．胆道癌のゲノム解析が一段と進む中，transplant oncologyの概念に基づき，これまでの「切除可能性」から肝移植をも包括した「治癒可能性」へ意識を変容させる時代が到来した．
詳細
State-of-the-art treatment for intrahepatic cholangiocarcinoma–from resectability to curability: paradigm shift driven by meticulous surgical strategy and the concept of transplant oncology
竹村 裕介＊1 阿部 雄太＊2 石井 良幸＊1,3 渡邊 昌彦＊1 日比 泰造＊4
＊1北里大学北里研究所病院外科
＊2慶應義塾大学医学部外科学教室（一般・消化器）
＊3北里大学医学部外科学
＊4熊本大学大学院生命科学研究部小児外科学・移植外科学講座