肝胆膵第82巻第2号
全国オンライン登録データからみた移行期医療
電子書籍のみ
- 髙野 智子,他(たかのこどもクリニック)
- 発行日:2021年03月28日
- 〈要旨〉
小児期ウイルス肝炎は頻度の低い感染症であるため,全国オンライン登録により臨床情報の収集を行った.小児期B型肝炎は成人年齢までに約半数がHBeセロコンバージョンしていた.登録された小児期C型肝炎の約半数が治療例であり,ペグインターフェロン±リバビリン治療,直接作用型抗ウイルス薬治療のウイルス持続陰性化率は各74%,100%であった.成人年齢でB型肝炎の16%,C型肝炎の22%が内科に移行していた.フォローされていない例がB型肝炎の44%,C型肝炎の24%あった.ウイルス肝炎は肝硬変や肝細胞癌への進展抑制,肝細胞癌の早期発見のために継続した診療が必要であり,内科への移行が欠かせない.ウイルス肝炎の移行期医療には患者教育と小児科医への啓発が必要である.
詳細
Evaluation of transitional care of viral hepatitis by nation-wide online registration data
髙野 智子*1 田尻 仁*2
*1たかのこどもクリニック
*2近畿大学医学部小児科学教室