肝胆膵第82巻第2号
肝内胆管癌における組織生検・細胞診診断
電子書籍のみ
- 内藤 嘉紀,他(久留米大学)
- 発行日:2021年02月28日
- 〈要旨〉
肝内胆管癌(intrahepatic cholangiocarcinoma:iCCA)は,胆管分化を伴う肝内悪性上皮性腫瘍である.iCCAは,肝門部に好発するlarge duct typeと末梢側に好発するsmall duct typeに大別される.確定診断のために組織・細胞検体が採取されるが,病変の局在により採取方法は大きく異なる.肝門型胆管癌は経十二指腸乳頭的に,末梢型胆管癌は経皮的に検体採取がなされることが多い.肝門型胆管癌は胆管生検あるいは細胞診を材料に診断が行われるが,それぞれの利点と欠点を認識する必要がある.一方,末梢型胆管癌の経皮的肝生検では,iCCAの組織学的特性をわきまえたうえで,良性・悪性を含む,ほかの肝内結節性病変の鑑別を行っていく.本稿では肝門型胆管癌と末梢型胆管癌に分けて,それぞれの採取法や病理学的診断について概説する.
詳細
Histological and cytological diagnosis of intrahepatic cholangiocarcinoma
内藤 嘉紀 秋葉 純
久留米大学病院病理診断科・病理部