肝胆膵第80巻第1号
RCTによる膵癌術前術後化学療法開発の歴史
電子書籍のみ
- 元井 冬彦,他(東北大学)
- 発行日:2020年01月28日
- 〈要旨〉
膵癌の外科治療は,補助療法の開発なしには成績向上は望めない.術後補助療法のランダム化比較試験では,まずESPAC-1試験で化学療法の有用性が示され,CONKO-001試験でgemcitabine療法の有用性が示された.その後本邦ではJASPAC-01試験でS-1 療法の優越性が示され,欧米では併用療法(ESPAC-4試験,PRODIGE 24試験)が標準治療となっている.2019年になり,世界で初めて,術前治療と手術先行比較する試験(Prep-02/JSAP05試験)の結果が公表され,術前GS療法の優越性が検証された.今後,膵癌周術期治療は,術前治療の最適化の方向に進むと考えられる.
詳細
The development of perioperative chemotherapy for pancreatic adenocarcinoma by randomized controlled trials (RCTs)
元井 冬彦 海野 倫明
東北大学大学院医学系研究科消化器外科学分野