肝胆膵第80巻第1号

アルコール性肝炎

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  • 仁科 惣治,他(川崎医科大学)
  • 発行日:2020年01月28日
  • 〈要旨〉
    重症型アルコール性肝炎は急性肝不全と同様に予後不良な疾患とされているが,いまだに有効な治療法が確立されていないのが現状である.以前よりプレドニゾロン(prednisolone),ペントキシフィリン(pentoxifylline)もしくはN-アセチルシステイン(N-acetylcystein:NAC)は,いずれも重症型アルコール性肝炎の治療薬として推奨されているが,その有効性についてはいまだ不明である.そこで本稿では,重症型アルコール性肝炎に対するプレドニゾロン,pentoxifyllineもしくはNACの治療効果を評価するために行われた多施設共同二重盲検無作為化試験およびネットワークメタ解析に関する文献をreviewし考察を行った.重症型アルコール性肝炎患者における短期的な死亡率は,コルチコステロイドの投与によって減少したが,中期的な死亡率を減少させる治療法は認められなかった.

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Alcoholic hepatitis
仁科 惣治 日野 啓輔
川崎医科大学肝胆膵内科学