臨床精神医学第47巻増刊号

認知症に伴う精神症状に対する薬物療法のコツ

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  • 馬場 元(順天堂越谷病院)
  • 発行日:2018年12月28日
  • 〈抄録〉
    認知症に伴う精神症状は中核症状である認知機能障害以上に患者の生活の質(Quality of life)を低下させ,介護者の負担を増大させる。このため症状によっては早急な対応が必要となり,直ちに薬物療法が開始となる場合が少なくない。しかし多くの場合その症状発現の背景には心理的要因や環境要因が大きく影響しているため,薬物療法に先んじて可能な限りこれらの要因に対する非薬物的な対応をとることが重要である。認知症に伴う精神症状に対する薬物療法に関するエビデンスは十分とはいえないが,臨床経験で生じたさまざまなバイアスを修正するために関連する治療ガイドラインを把握しておくことも大切である。

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Pharmacological therapies for psychiatric symptoms of dementia
馬場 元*1,2
*1順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック 
*2順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学