臨床精神医学第47巻増刊号
Trajectory analysisを理解する
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- 鈴木 健文（山梨大学）
- 発行日：2018年12月28日
- 〈抄録〉
抗うつ薬や抗精神病薬をうつ病や統合失調症に使用した際，従来は効果発現まである程度に時間がかかる（月単位でしばらく待つ必要がある）と考えられてきた。しかしこうしたコンセプトとは反し，治療効果は比較的早期から認められるとする知見が発表されてきている。この際，評価尺度における点数の継時的変化を軌道（trajectory）に模して解釈し，早期の変化からその後の治療転帰を予測する試みが広く行われてきている。最近ではこうした薬剤の治療効果は，（少なくとも治療反応者においては）数週以内から認められるとする報告が再現性をもってなされている。本項ではそうした精神科領域におけるtrajectory analysis（軌道解析）に関して概説し，その長所や課題について考察する。
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Understanding trajectory analysis
鈴木 健文
山梨大学医学部精神神経医学・臨床倫理学講座