臨床精神医学第47巻増刊号

重症薬疹は予防できるか─薬理遺伝学検査の可能性─

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  • 莚田 泰誠(理化学研究所)
  • 発行日:2018年12月28日
  • 〈抄録〉
    薬物応答性とゲノム情報との関連を調べることを目的としたファーマコゲノミクス研究が進展したことにより,薬の効果や副作用のリスクを治療開始前に予測可能なゲノムバイオマーカーが多数報告されつつある。特に,いろいろな医薬品で誘発される薬疹とヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)との関連は広く研究されており,特定のHLAアリルと薬疹との関連のオッズ比は約10 〜数千に上り,薬疹の発症リスクに対するHLAアリルの影響が極めて大きいことが示唆されている。精神科薬物療法では,カルバマゼピンやラモトリギンなどの重篤な薬疹を起こしやすい医薬品を使用する機会が多いため,事前のHLA遺伝子検査で薬疹の発症リスクを予測し,その結果に基づいて治療薬を選択したり,投与量を調節したりするような治療介入を行うことにより,集団全体の薬疹の発症頻度を低下させることが望まれる。本稿では薬疹の発症リスクに関する遺伝子検査の臨床応用の現状を述べる。

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Pharmacogenetic testing for prevention of severe drug-induced skin rash
莚田 泰誠 
国立研究開発法人理化学研究所生命医科学研究センター