肝胆膵第79巻第4号
膵切除後ならびにメタリックステント挿入後の仮性動脈瘤
電子書籍のみ

- 高屋敷 吏,他(千葉大学)
- 発行日:2019年10月28日
- 〈要旨〉
仮性動脈瘤破裂は緊急の救急治療が奏効しないと大量出血からショック状態となる致死的な病態である.その原因として膵切除後の胃十二指腸動脈断端からの出血が典型例であるが,胆道悪性狭窄に対する自己拡張型メタリックステント留置による肝動脈圧迫,肝動脈壁の圧損傷なども報告されている.診断としてCTで仮性動脈瘤が確認できれば緊急で血管造影検査に移行する.治療法としては外科的止血術とIVRによる止血術に大別されるが,近年ではIVRが第一選択とされることが多い.本病態の治療には,外科,内科,放射線科および手術部,放射線部などの多職種の協力が必要であり,平時から緊急時の対応についての手順やオンコール体制などを十分に話し合っておくことも重要である.
詳細
Pseudoaneurysm developed after pancreatectomy or inserting of self expansive metallic stent
高屋敷 吏 酒井 望 吉富 秀幸 古川 勝規 久保木 知 高野 重紹 鈴木 大亮 賀川 真吾 三島 敬 大塚 将之
千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学