肝胆膵第82巻第1号
急性膵炎に対する外科治療の適応－VARD（video-assisted retroperitoneal debridement）の適応も含めて－
電子書籍のみ
- 飯澤 祐介，他（三重大学）
- 発行日：2021年01月28日
- 〈要旨〉
2016年の急性膵炎の全国調査では，2011年と比較して発症2週以降の死亡率はほとんど改善していない．被包化膵壊死（walled-off necrosis：WON）を伴った場合の死亡率は6.7％であり，発症後期に問題となる急性膵炎の局所合併症の治療は，いまだ課題として残っている．局所合併症の治療では，まず内視鏡的ステップアップアプローチが考慮される．貯留物や壊死腔が胃と離れていたり骨盤腔まで広がっていたりして，内視鏡的なアプローチが困難な場合は，外科的ステップアップアプローチを選択する．外科的ステップアップアプローチでは，まず経皮的ドレナージを行い，臨床的な改善が乏しい場合は外科的なネクロセクトミーを行う．その場合，開腹ネクロセクトミーより低侵襲なVARD（video-assisted retroperitoneal debridement）を検討する．
詳細
Indication of surgical treatment for acute pancreatitis–efficacy of video-assisted retroperitoneal debridement (VARD) for walled-off necrosis (WON)–
飯澤 祐介 藤井 武宏 尭天 一亨 早崎 碧泉 種村 彰洋 村田 泰洋 栗山 直久 岸和田 昌之 櫻井 洋至 水野 修吾
三重大学肝胆膵・移植外科