肝胆膵第82巻第1号

高グリセリド血症(HTG)に伴う急性膵炎(HTG-AP)に血漿交換療法(TPE)は必要か

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  • 北村 伸哉,他(君津中央病院)
  • 発行日:2021年01月28日
  • 〈要旨〉
    高グリセリド血症(HTG)に伴う急性膵炎(HTG-AP)に対する成因標的療法は血清トリグセリド(TG)値を早急に下げることである.この目的のために血漿交換療法(TPE)が試みられてきたが,栄養療法,脂質低下薬,ヘパリン,インシュリン投与などの薬物療法に比べ,臨床的有効性は明確でない.今回,現在のエビデンスからTPEの有効性を検討した.TPEによる血清TG値の減少効果は保存治療に比べ高い報告が多かったが,転帰を改善することはないようである.TPEには施行に伴う有害事象も報告されており,保存的療法に比べ,煩雑になり,コスト高である.HTG-APに対する治療方針は,まず,急性膵炎に対する初期治療およびHTGに対する栄養および薬物療法を行うことが重要であり,緊急でTPEを行う必要はない.急性膵炎診療ガイドラインでは保存的な治療が奏功しない場合の補助療法として提案されているが,その必要性も確認できなかった.

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Do we need therapeutic plasma exchange for hypertriglyceridemia induced acute
pancreatitis?
北村 伸哉 島居 傑
国保直営総合病院君津中央病院救命救急センター(救急・集中治療科)