肝胆膵第82巻第1号
尿中トリプシノーゲン2による急性膵炎診断-多施設共同臨床研究をふまえて-
電子書籍のみ
- 保田 宏明,他(京都府立医科大学)
- 発行日:2021年01月28日
- 〈要旨〉
尿中トリプシノーゲン2 は,急性膵炎に特異性が高く,発症後,尿中での高値が持続することから急性膵炎の診断に有用であり,海外ではその迅速検査が普及している.厚生労働省難治性疾患克服事業難治性膵疾患に関する調査研究班による多施設共同臨床研究では,診断における迅速検査の有用性とともに,定量法が重症度判定の一助となり得ると言及している.ようやく迅速検査キットがわが国でも保険収載され,2021年1月から発売予定となった.今後の実地臨床での普及と急性膵炎の救命率改善に寄与することを期待する.
詳細
Usefulness of urinary trypsinogen-2 in acute pancreatitis: a multicenter study in Japan
保田 宏明 十亀 義生 阪上 順一 片岡 慶正 伊藤 義人
京都府立医科大学消化器内科