肝胆膵第81巻第5号
DEB-TACE vs. cTACE- JIVROSG-1302 PRESIDENT study-
電子書籍のみ
- 池田 公史,他(国立がん研究センター東病院)
- 発行日:2020年11月28日
- 〈要旨〉
肝動脈化学塞栓療法(TACE)の適応となる切除不能肝細胞癌に対して,ビーズを用いたTACE(DEB-TACE)とリピオドール®によるTACE(cTACE)のどちらの局所治癒(CR)割合が高いかを明らかにするランダム化比較試験が行われた.DEB-TACEに99 人,cTACEに101人が登録された.主要評価項目である3か月のCR割合は,DEB-TACE27.6%,cTACE75.2%と有意にcTACEで高率であった.有害事象は,cTACE群で塞栓後症候群を高率に認めたが,忍容性は十分であった.CRを狙ってTACEを行う場合,塞栓後症候群が耐えられそうな患者であれば,cTACEを選択すべきである.
詳細
DEB-TACE vs.cTACE:JIVROSG-1302 PRESIDENT study
池田 公史*1 荒井 保明*2
*1国立研究開発法人国立がん研究センター東病院肝胆膵内科
*2国立がん研究センター理事長特任補佐